日光東照宮を観光するなら知っておきたい!世界遺産の理由を3行で分かりやすく解説!

日光東照宮 日本の世界遺産

「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」

この記事はそんな方に向けて書いています。

様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。

この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された理由をたった3行で分かりやすくシンプルに解説します。

世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。

世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。

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日光東照宮は103棟の建物と周辺の景観遺跡からなる

日光東照宮

[登録年]:1999年
[所在地]:栃木県日光市
[登録区分]:文化遺産
[登録名称]:日光の社寺しゃじ

日光は栃木県の北西部に位置する山々に囲まれた町です。
世界遺産の正式な登録名称は「日光の社寺しゃじ」といい、日光市に点在する寺院などの総称です。

世界遺産は、

  1. 東照宮
  2. 二荒山神社ふたらさんじんじゃ
  3. 輪王寺りんのうじ

二社一寺にしゃいちじに属する103むねの建物と周辺の景観遺跡が登録されています。

日光の社寺が世界遺産に登録されている3つの理由

日光の社寺しゃじが世界遺産に登録されている3つの理由を紹介します。

世界遺産登録理由
  1. 日光の建造物は、天才的芸術家による人類の創造的才能を表す傑作であるから
  2. 東照宮本殿や大猷院たいゆういんなどに用いられている建築様式(権現造ごんげんづくり)が江戸時代の神社建築のよい見本になったから
  3. 自然と一体となった宗教空間を創り上げ、今も文化として生き続けているから

なかでも江戸幕府初代将軍・徳川家康をまつる豪華な神社「東照宮」が有名です。

日光は古くから山岳信仰さんがくしんこうの場で、山を神聖なものとして崇拝する信仰の形が受け継がれてきました。
日光の社寺しゃじ自然と一体となった宗教空間を今に伝えています。

山岳信仰さんがくしんこうとは??》
昔から山には神々が宿るとされ、それを霊山や霊峰と呼び、人々は祈りを捧げてきた。
このように山と信仰が深い縁で結ばれていることを山岳信仰さんがくしんこうという。

日光の社寺の構成資産

一つの世界遺産にはいくつかの建築物が登録されている場合があり、それを「構成資産」と言います。
日光の社寺しゃじ二社一寺にしゃいちじと周辺の景観遺跡から成り立っています。

東照宮《二社》

陽明門
  • 家康の霊廟れいびょう(死者をまつる建物)として創建された
  • 現在の主要な社殿は、三代将軍・徳川家光により造営された

二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)《二社》

二荒山神社
  • 勝道上人しょうどうしょうにんを開祖とする山岳信仰さんがくしんこうの聖地
  • 日光における山岳信仰さんがくしんこうの中心として古くから崇拝されてきた神社

輪王寺(りんのうじ)《一寺》

輪王寺
  • 日光山の中心寺院として発展してきた
  • 三代・家光の霊廟れいびょう(死者をまつる建物)が境内地に造営されて以降は徳川幕府の尊崇そんすうを受けてきた

これら二社一寺には103むねの建物があり、すべてが世界遺産に登録されています

奈良時代から山岳信仰の聖地だった日光

中禅寺湖

日光は奈良時代に山岳信仰さんがくしんこうとして栄えました。

8世紀後半、修行僧の勝道上人しょうどうしょうにん男体山なんたいさん二荒山ふたらさん)を拝むための小さなほこらを築いたことが、山岳信仰さんがくしんこうの始まりです。

その後、山をまつるため二荒山神社ふたらさんじんじゃ輪王寺りんのうじが建てられました。

家康が埋葬されたのち、三代・家光によって豪華な建物に改修されると、庶民の間でも信仰を集めるようになりました。

徳川家康が日光東照宮に祀られている理由

徳川家康

家康は生前「自分が死んだら江戸の真北にある日光に小さいお堂を建ててまつってほしい」と遺言を残していました。

当時、戦国大名の間では「天道思想てんどうしそう」という考え方が流行していました。

天道思想てんどうしそうとは??》
昔、中国では宇宙の中心「天の北極」に天帝てんていと呼ばれる宇宙の支配者が住んでいるとされていた。
天帝てんていから指名された人が、地上の支配者「天下人」となるという考え方。

日光は、江戸城と天の北極(北極星)を結ぶ間に位置します。

家康も天道思想てんどうしそうに従って、天帝てんていと共に江戸を見守るために日光を選んだとされています。

家康は死後、天皇から「東照大権現とうしょうだいごんげん」という神の称号をもらっています。
現在家康は神様として日光東照宮にまつられています。

東照宮はもともとは質素な神社だった

昔の東照宮(イメージ)
写真はイメージ

家康が日光に埋葬するよう遺言を残し、二代目将軍・秀忠ひでただが東照宮を造営したときはとても質素な神社でした。

東照宮

しかし家康を敬愛する三代・家光が、わずか1年5ヵ月で東照宮を豪華な建物に仕上げました
これは徳川の力を天下に示すためだったと言われています。

日本を代表する天才的芸術家たちによって造られた建造物の多くは、まさに豪華絢爛ごうかけんらんそのもの。
その美しさから「日光を見ずして結構と言うなかれ」という格言を生み出したほどです。

東照宮には彫刻がたくさんある

東照宮の建物にはたくさんの彫刻が彫られています。
東照宮全体で5173体、陽明門だけで508体の彫刻があります。

有能な技術者によってつくられた美術と建築は、世界遺産に登録される大きな理由になっています

眠り猫

眠り猫

家康のお墓(奥社)につながる階段の入口にある、日光東照宮でもっとも有名な彫刻です。
「猫が眠っていられるような平和な世の中にしよう」という願いが込められています。

陽明門

東照宮のシンボル「陽明門」にもたくさんの彫刻が存在します。

神厩舎(しんきゅうしゃ)

見ざる言わざる聞かざる

東照宮の表門をくぐった左手にある神厩舎しんきゅうしゃです。
ここは、神様に仕える神馬しんめをつなぐうまやです。

「見ざる聞かざる言わざる」の猿の彫刻が有名です。
幼いうちは純真なので、外部からの影響を受けないようにせよ、という教えです。

東照宮には面白い仕掛けがある

東照宮の改修には現在の価値で400億円ほどの総工費がかかりました。
そんな東照宮には面白い仕掛けがあります。

石鳥居が大きく見える!?

東照宮の表参道を歩くと見える石鳥居です。
鳥居は花崗岩でできており、石鳥居では日本一の高さです。
大きく見せるために、手前の石段は上に行くほど狭く設計されています。

陽明門の柱の模様が1ヶ所逆になっている!?

陽明門には渦巻き模様が彫られた12本の柱がありますが、このうち1本だけ上下逆になっています。
これは失敗ではなく魔除けのためです。

「満つれば欠ける」ということわざがあるように「建物は完成と同時に崩壊が始まる」と考えられてきました。
そこでわざと一本だけ逆さにして未完成の状態にすることで災いをさけようとしたのです。

まとめ

「日光東照宮」の紹介はいかがだったでしょうか。

簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。
それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。

この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。

以上、<日光東照宮を観光するなら知っておきたい!世界遺産の理由を3行で分かりやすく解説!>という話題でした。

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