なぜ「厳島神社」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!

厳島神社の鳥居 日本の世界遺産

「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」

この記事はそんな方に向けて書いています。

様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。

この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された理由をたった3行で分かりやすくシンプルに解説します。

世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。

世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。

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神の島に立つ豪華な社殿が美しい厳島神社

厳島神社

[登録年]:1996年
[所在地]:広島県廿日市市はっかいちし
[登録区分]:文化遺産

瀬戸内海に浮かぶ厳島(宮島)は古くから「神の島」と言われ信仰を集めてきました。

この島に祀られているのが、海辺に立つ大きな鳥居と豪華な社殿が美しい厳島神社で全国に約500社ある厳島神社の総本社です。

厳島のすべてが世界遺産に登録されているのではなく、厳島全域の約14%にあたる厳島神社と弥山原始林が世界遺産に登録されています。

▼世界遺産を学ぶ際にはこちらの記事をご覧ください。非常に分かりやすい本を紹介しています。
>>【大人向け】国内の世界遺産を学ぶなら最初に読みたいおすすめの本3選!

▼実際に厳島神社に行ってみた感想や見どころはこちらの記事をご覧ください!!
>>【神秘】厳島神社の魅力と見どころは?実際に行ってみた感想!

厳島神社が世界遺産に登録されている3つの理由

ポイント

厳島神社が世界遺産に登録されている3つの理由を紹介します。

世界遺産登録理由
  1. 海辺に立つ神社は世界的に見ても珍しいから
  2. 海上の朱色の社殿と背後の自然とが一体となった景観が美しいから
  3. 現在の社殿は鎌倉時代の13世紀半ば頃に再建された古いものだから

日本三景・宮島に立つ厳島神社

厳島神社

厳島(宮島)は一般に「安芸(あき:広島県の地名)の宮島」とも呼ばれ、厳島の緑濃い森林が海岸線に迫る美しい自然景観は日本三景の1つにも数えられています。

《日本三景》

宮島(広島)

天橋立(京都)

松島(宮城)

厳島は約30平方キロメートルの島で、特別史跡及び特別名勝に指定されています。

古くから島全体が神聖視されていたため、この島に神社が造営されました。

社殿は、本殿・拝殿・回廊など6棟が国宝に、14棟が重要文化財に指定されており、平家の納めた「平家納経」を始めとした国宝・重要文化財の工芸品を多数納めています。

海に立つ木造建物という性質上、過去に何度も大型台風が直撃しており、その度に大規模な修復が行われています。

平清盛が現在の豪華な社殿を造った

本社拝殿内部

厳島に社殿が初めて築かれたのは593年です。
その後1168年に平清盛によって現在のような豪華な社殿が造られました。

「神様をいつまつる(大切におまつりする)聖なる島」という意味で伊都岐島いつきしまと呼ばれ、それが次第に厳島となりました。

当時大きな勢力を誇っていた平氏とともに厳島神社は発展してきたのです。

厳島神社と一体の景観を造る世界遺産・弥山

弥山

厳島神社の背後にある弥山(標高535m)には自然の原始林が広がっています。

厳島そのものがご神体だったことから弥山の木々も大切に保護されてきました。

手つかずの自然は「弥山原始林」として厳島神社とともに世界遺産に登録されています。

歴代8代目となる大鳥居は自重だけで立っている

鳥居

修復に次ぐ修復で現在8代目の鳥居となる大鳥居は、根本が固定されているわけではありません。

鳥居は重さ60トンもあり、その自重のみで立っています。

鳥居の上部の島木と呼ばれる部分は箱型になっていて、こぶし大の石が7トン入っている

6本の太い柱は虫に食われにくいクスノキの自然木が使用されています。

朱色の社殿は寝殿造を応用した神社建築が美しくまるで竜宮城

海に浮かんだ朱色の社殿は寝殿造を応用した神社建築が美しく、まるで竜宮城のようです。

本社正面(平舞台・高舞台・祓殿)

本社拝殿から鳥居を望む
  • 平舞台は屋根のない床部分
  • インド・中国・朝鮮半島から伝わった舞楽などが演じられていた
  • 背後に五重塔を望むことができる

五重塔

五重塔
  • 室町時代(1407年)に建てられた高さ27.6mの塔
  • 和様と唐様(中国のデザイン)が合わさった珍しい建築
  • 宮島にある寺院で最も歴史が深い「大本山大聖院」の子院にあたる「金剛院」のものだったが、明治初年の廃仏毀釈や神仏分離の激動の中で厳島神社の管理に移された

能舞台

能舞台
  • 日本で唯一海の上に建てられた能舞台
  • 鳥居や社殿のような朱色には塗られていない

豊国神社本殿

豊国神社本殿
  • 豊臣秀吉の命によって造られたが、秀吉の死後、建設が中断した
  • 天井が張られていないなど未完成の状態

反橋

厳島神社反橋
  • 天皇の使者「勅使」が来た時に使用した
  • 現在の橋は1557年に再建されたもの

客神社

厳島神社の客神社
  • 天忍穂耳命あめのおしほのみこと天穂日命あめのほひのみこと天津彦根命あまつひこねのみこと活津彦根命いくつひこねのみこと熊野櫞樟日命くまのくすのひのみことの5柱の男神が祀られている

東廻廊

本社拝殿
  • 廻廊は東西合わせて270mあり、釘は使用されていない
  • 床板には海水が上がってきた時にエネルギーを逃がすために隙間が空いている

海辺に神社が造られたのは、神聖な厳島の土地を神社の敷地にしないため

昔は厳島神社を参拝する時は、本土から船に乗って大鳥居をくぐる必要がありました。

なぜ厳島神社はこのような海辺に建てられたのでしょうか。

それは神聖な場所とされていた厳島の一部を神社の敷地にすることを避けたためです。

厳島神社に奉納されている「平家納経」から平清盛は海を重要視していたことも分かっています。

またもう一つ重要なのは、厳島が日宋貿易のルート上にあったことで、平清盛は厳島神社で頻繁にお祈りをしたと言われています。

《日宋貿易とは??》
平安時代から鎌倉時代にかけて日本と宋(中国)との間で行われた貿易のこと。
平清盛は、大輪田泊(現在の神戸港の一部) を整備して、宋(中国)との貿易を積極的に進めた。

平家は宋との貿易で莫大な利益を得て繁栄しました。

厳島神社を訪れる前に読むべき一冊

せっかく厳島神社を訪れる機会があるのであれば、事前に厳島神社に関する書籍を読んでいくことをおすすめします。

神社から読み解く信仰の日本史

厳島神社だけに焦点を当てた本ではありませんが、神道の基礎、大まかな所を歴史目線からざっと解説してくれています。

日本という国が成り立つ背景にあった神道を理解出来ている人は少ないのではないでしょうか。

この本を読めば神社に行くことが楽しみになること間違いなしです。

神道の超入門書
神道の歩んだ歴史、現代にも残るあの神社のルーツ、それらにまつわるちょっとしたコラムと、神話の時代から地続きの感覚で神社・神道のあれこれがサックリ知れる良本。オールカラーで写真も豊富、表現も平易で読みやすく一般的新書よりさらにとっつきやすい。中学生ぐらいでも飽きずに読めるのでは無いかなと思う。

引用元:Amazon公式HP

平清盛の闘い 幻の中世国家

厳島神社と平清盛との関係を分かりやすく紹介している一冊です。

平家物語を紹介する本ではないので源平合戦などはほとんど触れられておらず、平清盛が造ろうとした国家に焦点を当てています。

厳島神社がどのような位置づけだったのかを理解するうえでとても勉強になるのでおすすめです。

文庫でこの密度濃い詳細な記述に大満足
最近集中して読んだ平家関係の文庫・新書の中では、本書が本文275頁ながら内容の密度の濃さには驚きであり、時間をかけて要点はノートに書き留めながら、じっくりと読んだ。類書の中で圧倒的な存在だ。

引用元:Amazon公式HP

まとめ

「厳島神社」の紹介はいかがだったでしょうか。

簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。

この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。

▼日本の世界遺産はこちらの記事をご覧ください。
>>都道府県別|旅行におすすめ!国内の世界遺産まとめ一覧!

以上、<なぜ「厳島神社」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!>という話題でした。

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