なぜ「法隆寺」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!

法隆寺 日本の世界遺産

「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」

この記事はそんな方に向けて書いています。

様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。

この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された理由をたった3行で分かりやすくシンプルに解説します。

世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。

世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。

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法隆寺は日本で初めて登録された世界遺産

法隆寺

[登録年]:1993年
[所在地]:奈良県 斑鳩町いかるがちょう
[登録区分]:文化遺産
[登録名称]:法隆寺地域の仏教建造物

法隆寺は、姫路城とともに日本で初めて世界遺産に登録されたました

法隆寺の金堂や五重塔など47棟と、近くに建つ法起寺ほっきじの三重塔が構成資産に登録されています。

中でも法隆寺の金堂は世界一古い木造建築として有名です。

法隆寺が世界遺産に登録されている3つの理由

ポイント

法隆寺が世界遺産に登録されている3つの理由を紹介します。

世界遺産登録理由
  1. 世界でもっとも古い木造建築だから
  2. 大陸と日本の文化交流について知ることができるから
  3. 日本に仏教が伝わった直後に建てられたため、その後の日本の仏教建築物のお手本になったから

理由①世界でもっとも古い木造建築だから

法隆寺は607年に聖徳太子が父親の用明天皇の病気回復を祈るために造ったお寺です。

「日本書紀」によると、670年に火災で全焼していますが7世紀後半ごろに金堂が再建され、それから1400年以上経った今も当時の姿を残しています。

法隆寺の金堂は、世界最古の木造建築であり世界遺産への登録にあたり高く評価されています。

理由②大陸と日本の文化交流について知ることができるから

仏教がインド・中国・朝鮮を経由して日本に仏教が伝わったのは6世紀半ばごろです。

聖徳太子は仏教を熱心に学び、争いのない平和な世の中にするために新しい国づくりを始めました。

大陸の影響を強く受けたため、金堂や五重塔、中門、回廊といった主要な建築様式は当時の大陸の建造物と共通する特色をもっています。

法隆寺の建築物からは、中国をはじめとする大陸との間に密接な文化交流があったことが伺えます。

理由③日本に仏教が伝わった直後に建てられたため、その後の日本の仏教建築物のお手本になったから

仏教は瞬く間に日本全国に普及していきます。

その際に日本仏教の原点である法隆寺が、仏教建築物のお手本になっています

7世紀ころに建てられた木造建築群がこれほどまでに集中して保存されている地域は他に例がなく、日本の仏教史を語るうえで大変貴重な遺産です。

聖徳太子の十七条憲法には「和を以てとうとしとなす」という一文があります。

これは、何事をなすにもしっかりと議論を交わし争いが無いようにする、という意味です。

法隆寺は、聖徳太子の説いた”和”という温かな精神に日本人を導いた由緒あるお寺です。

法隆寺は2つの伽藍がある

法隆寺

法隆寺とても広く、東京ドーム4個分の敷地面積にあたります。

境内には西院さいいん東院とういんの2つの伽藍がらんがあります。

伽藍がらんとは??》
寺の敷地にある金堂や塔などの建築物の集まりのこと。

西院さいいんに世界一古い木造建築である金堂や、日本最古の塔である五重塔があります。

また法隆寺の本尊があるのも西院さいいんです。

東院とういんには、八角形の夢殿があります。

国宝・重要文化財の宝庫である

法隆寺

法隆寺には19の建物が国宝として登録されており、重要文化財も含めるとその数は190件にのぼります。
まさに当時の歴史を今に伝える貴重な建築物です。

法起寺は聖徳太子の息子が建設した

法起寺

法隆寺と共に構成資産に登録されている法起寺ほっきじは、聖徳太子の息子である山背大兄王が建てました。
法起寺ほっきじにある三重塔も、日本最古の三重塔として現存しています。

大地震でも倒れない五重塔

五重塔

地震大国の日本にありながら、1400年もの間、法隆寺の五重塔は一度も倒れたことがありません

当時の建築技術には驚かされますが、一体なぜ大地震が来ても崩壊しないのでしょうか。

中心には揺れを吸収する心柱が立っている

五重塔の中心にはエレベーターの通り道のような空間が空いており、そこにヒノキを2本つないで造られた大きな心柱しんばしらが立っています。

地震の時は心柱しんばしらが左右に揺れて建物の揺れを吸収します

この耐震構造は東京スカイツリーにも採用されています。

各階層も揺れを吸収する造りになっている

五重塔は各階層も揺れを吸収しやすい構造になっています。

五重塔は多くの瓦や木材が積み上げられていますが、それぞれが緩やかにつながれているため、大きな揺れが来るとそれぞれの階層が交互に揺れるようになっています

建物の1階が右に揺れると、2階が左に揺れ、3階が右に揺れるといった仕組みで、こうして塔全体の揺れが吸収されます。

使用する材料にも工夫が凝らされている

五重塔に使用する材料にも工夫が凝らされています。

木材の結合には砂鉄から作った和釘わくぎが使用されています。
和釘わくぎは現在主流の洋釘ようくぎより鉄の純度が高いので錆びにくく建物が長持ちします

また使用している木材は材齢1000年以上のヒノキを使用しており、表面を削って仕上げることで雨水が浸透しにくいようになっています

他にも柱が石の上に建てられているので、建物全体が腐りにくくなっています

これらの工夫は法隆寺の建物全体に使用されていて、古い姿のままとどめるのに役立っています。

美しさでも世界一の五重塔

五重塔

五重塔は美しさでも世界一を誇ります。

五重塔の階層は上に行くにしたがって小さくなっています。

闇雲に小さくなっているのではなく、塔の5階部分の柱の長さは1階の柱の長さの半分です。

そうすることによって全体が綺麗な二等辺三角形になって見えるのです。

1400年前に建てられたとは思えないほど全体の構造が見事に計算されており、美しい景観が保たれています

まとめ

「法隆寺」の紹介はいかがだったでしょうか。

簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。
それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。

この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。

以上、<なぜ「法隆寺」は世界遺産?その理由を3行で分かりやすく解説!>という話題でした。

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