「世界遺産ってなんか堅苦しい」
「世界遺産のタイトルも抽象的だし何がすごいのか良く分からない」
「解説を読んでもポイントが良く分からない」
この記事はそんな方に向けて書いています。
様々なサイトで世界遺産については説明されていますが、どのサイトも難しいです。
それは情報量が多すぎて、事前知識がないと理解しづらいからです。
この記事では、国内23の世界遺産を制覇し年間50回以上国内を旅行する筆者が、簡単に理解したいという方のために世界遺産に登録された3つの理由を分かりやすく解説します。
世界遺産に登録された理由を理解すると、旅先での見方は変わります。
それは世界遺産への登録理由こそが「他の観光地とは一線を画す」理由だからです。
世界遺産の概要を理解して、ぜひ現地に足を運んでみましょう。
世界遺産「知床」の概要
知床の語源はアイヌ語で「シリエトク(大地の突端)」という意味から来ています。
世界遺産に登録されている知床は、北海道の右上に突き出している半島で、
- 長さ約70km
- 半島の付け根部分の幅約25km
- 中央は1500m級の山々
が連なっています。
[登録年]:2005年
[所在地]:北海道知床半島および周辺海域
[登録区分]:自然遺産
[アクセス]:
①女満別空港から車で約2時間
②釧路空港から車で約3時間半
③札幌駅から車・バスで7~8時間
知床が世界遺産に登録されている3つの理由
北海道の東部に突き出た知床は、周辺の海域と陸域が密接にかかわりあう特別な生態系が育まれています。
まさに海と陸の命が連鎖する生き物の楽園です。
知床が世界遺産に登録されている3つの理由を紹介します。
理由①海と陸の生き物が深くかかわりあう特別な生態系があるから
知床では、周辺海域と陸上の生き物たちの命が循環する豊かな生態系が形作られています。
「食べる」「食べられる」の食物連鎖は地上だけで見られるのではありません。
海と陸地が川によってつながることによって、海⇒川⇒陸⇒山にまたがる一連の植物連鎖が繰り広げられ、世界でも希少な場所になっています。
食物連鎖の循環サイクル
- 栄養たっぷりの流氷がプランクトンを増やす
- 海の生き物が育つ
- 海と空のハンターが魚を食べる
- 大人になったサケやマスが川に戻る
- 大人になったサケやマスが川に戻る
- 川を上ってきた魚をヒグマが食べる
- 動物の糞や死骸が山を育てる養分になる
理由②オオワシやシマフクロウなど絶滅危惧種の生息地となっているから
知床では269種の鳥類が確認されており、シマフクロウやオオワシなどの絶滅危惧種も含まれます。
国内生息数の約半数が見つかるほど自然豊かな環境です。
理由③徹底した保護管理体制があるから
知床の豊かな自然環境を保護するためにさまざまな保護管理体制が発足しています。
「知床世界自然遺産地域科学委員会」では、動植物の保全や森林・海・川の管理計画を担当し、「知床国立公園利用適正化検討会議」「知床エコツーリズム推進協議会」では、レクリエーションの利用と自然環境の両立(観光・自然探勝・登山・釣りなどの利用は自然環境に支障を及ぼすことの内容適切に行う)を目指しています。
自然を守るためには徹底した人の力も必要であり、このように世界遺産としてふさわしい管理体制が高く評価されています。
まだある知床の魅力!知床には手つかずの自然が残っている
知床には数多くの動植物が存在しており、植物は845種、動物は579種、昆虫は2500種以上が確認されています。
知床の固有種をはじめ希少植物が多数存在している
知床の固有種であるシレトコスミレやシレトコトリカブトなどの貴重な植物種や、日本では知床以外には見られないエゾモメンヅル及びラウススゲなど希少な植物が多数存在しています。
大型哺乳類の密集地帯である
豊かな自然に恵まれていて食べ物に困らないため、ヒグマやエゾシカなどの哺乳類が高密度で密集しています。
その生息密度は世界トップクラスです。
知床の陸上で頂点に立つヒグマも、1頭の行動範囲は北アメリカに住むヒグマの数十分の一にとどまっています。
火山活動で生まれた独特の地形を有する
まるで海の中から山脈が顔を出している地形は、今から860万年前の海底火山活動によって誕生しました。
流氷がやってくる北半球最南端の地である
知床は地球上もっとも低い緯度で流氷が見られる地域です。
オホーツク海北西のシベリア沿岸やサハリン北部の海で作られた流氷は、シベリアからの季節風を受けてオホーツク海を南下し、約1000kmの旅をして知床にたどり着きます。
春になって流氷が解けると、栄養たっぷりの植物プランクトンが海に流れ出て豊かな生態系を育みます。
知床の見どころを紹介
ここからは知床の見どころを紹介していきます。
山に関する見どころ
知床五湖
- 知床五湖は原生林に囲まれた5つの湖
- 一周できる遊歩道があり、湖面に映る知床連山や木々が幻想的
施設名:知床五湖
住所:北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩宇別
電話:0152-24-3323(知床五湖フィールドハウス)
交通:女満別空港から約90km(2時間)路線バスあり・季節運行(斜里バス)
時間:8:00-18:30(季節変動あり)
料金:高架木道エリアは無料、地上遊歩道はツアーのみ(大人3500円、小人2000円)
定休日:積雪のある11月中旬から4月中旬まで閉園
駐車場:100台/有料
HP:https://www.goko.go.jp/index.html
カムイワッカ湯の滝
- 火山活動で湧き出た温泉が川に流れ込んで暖まっている
- 滝壺が数段あり、それらが露天風呂となる
- 滝壺では入浴も可能
施設名:カムイワッカ湯の滝
住所:北海道斜里郡斜里町遠音別村
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
交通:マイカー規制期間中は知床自然センターに駐車してシャトルバスを利用
時間:24時間
料金:無料
定休日:積雪のある11月から6月まで閉園
駐車場:約15台/無料
HP:https://center.shiretoko.or.jp/guide/kamuiwakka/
フレペの滝
- 「乙女の涙」という愛称で知られている
- 知床連山に降った雨や雪による水が地下に溜まり、断崖の割れ目からそれが流れ落ちている
施設名:フレペの滝
住所:北海道斜里郡斜里町遠音別村
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
交通:知床自然センターから徒歩20分
時間:24時間
料金:無料
定休日:なし
駐車場:あり
HP:https://center.shiretoko.or.jp/guide/furepe/
羅臼湖トレッキング
- 高山植物が咲いている
- 6~7月には残雪の上を歩ける
施設名:羅臼湖
住所:北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町
電話:0153-87-2828(知床羅臼ビジターセンター)
交通:知床峠の駐車場から約3km「羅臼湖入口」から路線バス利用
時間:24時間
料金:無料(ツアー参加は約7000円)
定休日:なし
駐車場:なし
HP:http://rausu-vc.jp/lake/
海に関する見どころ
クルーズ船に乗る
- 5社の観光船が異なる観光コースを提供している
- 400人が一度に乗れる大型船から小型クルーザーまで様々
- 最短1時間強~4時間
流氷
- 一面雪化粧となる流氷が楽しめる
- 2月ごろを中心に多くの観光客が訪れる
- 流氷ウォークや流氷ダイビングなどツアーがある
ドライブ関する見どころ
知床峠
- 車で手軽に行くことができる
- 10月末~GW直前まで雪に閉ざされる
- 春・夏・秋と季節ごとの絶景が楽しめる
施設名:知床峠
住所:北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
交通:北海道根室中標津空港から国道272・335号経由で80km(所要時間 1時間30分)
時間:24時間
料金:無料(ツアー参加は約7000円)
定休日:積雪のある11月中旬から4月中旬までは道路閉鎖
駐車場:66台/無料
HP:https://www.shiretoko.asia/shiretoko_touge.html
オシンコシンの滝
- 知床最大の滝
- アイヌ語で「エゾマツが群生する場所」を意味している
施設名:オシンコシンの滝
住所:北海道斜里郡斜里町ウトロ西
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
交通:女満別空港から国道334号を経由して2時間半
時間:24時間
料金:無料
定休日:なし
駐車場:42台/無料
HP:https://www.shiretoko.asia/oshinkoshin.html
プユニ岬
- オホーツクの海岸線が一望できる
- 冬は一面の流氷を一望できる
施設名:プユニ岬
住所:北海道斜里郡斜里町
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
交通:JR知床斜里駅から国道334号線を経由して45分
時間:24時間
料金:無料
定休日:なし
駐車場:なし
HP:https://www.shiretoko.asia/puyuni.html
まとめ
「知床」の紹介はいかがだったでしょうか。
簡単でもいいので世界遺産については絶対に登録理由を知ったほうがいいです。
それは世界遺産が「他の観光地とは一線を画す」からです。
この記事が、ちょっとでも目線が変わるお役に立てれば嬉しいです。
以上、<なぜ知床は世界遺産?3つの理由を分かりやすく解説!>という話題でした。