フルサイズは必要ない|カメラ初心者はAPS-Cがおすすめ

フルサイズは必要ない|カメラ初心者はAPS-Cがおすすめ カメラ雑記

これからカメラを始めてみたいという初心者の方には低価格で購入できるAPS-Cが圧倒的におすすめです。価格が抑えめであるだけでなく、小さくて持ち運びやすいですし、画質や連写、AFなどの機能も高性能機と遜色がないモデルが揃っています。

私は初心者の方が最初の1台に購入するならAPS-Cをおすすめしています。なぜAPS-Cをおすすめするのか理由を紹介していきます。

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APS-Cとはイメージセンサーのサイズの一種

APS-Cとはカメラに組み込まれているイメージセンサー(撮像素子)のサイズのことです。イメージセンサーはカメラの内部(レンズを外すと見えます)にあり、光を集める役割を担っています。

APS-Cとはイメージセンサーのサイズのこと

現在主流のセンサーは「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」があります。「フルサイズ」は画質や高感度性能に優れたカメラで、「APS-C」「マイクロフォーサーズ」は画質と軽量性のバランスを考慮して設計されたカメラです。

カメラやレンズの価格はセンサーサイズに大きく影響をうけるので、フルサイズとAPS-C or マイクロフォーサーズの間には大きな価格差があります。APS-Cとマイクロフォーサーズの価格は同程度ですが、画質の面ではAPS-Cの方が有利なのでこれからカメラを始める方にはAPS-Cをおすすめします。

初心者はAPS-Cから始めるのがベストな選択

前提としてよく言われるのは、フルサイズかAPS-Cのどちらを選ぶのかは「何を撮るか」によって違うということです。しかしセンサーサイズも価格も違うので、そんなことは当たり前です。目的が違うから性能も価格も異なるのです。

初心者の方がいきなりフルサイズに手を出すには価格が高すぎます。これからカメラにハマるとも限りませんし、APS-Cでもカメラを楽しむだけの十分な性能を持っていますので、APS-Cを買ったとしても安物買いの銭失いにはなりません。

「いつかはフルサイズが欲しくなるから」という意見もありますが、APS-CにはAPS-Cの良さがありますので、最終的にフルサイズを購入したとしてもAPS-Cは今後もサブ機として活躍してくれるでしょう。

したがって最初の1台として選択するのであればAPS-Cがベストな選択であるといえます。

フルサイズとAPS-Cの違い

ここからはフルサイズとAPS-Cの違いを具体的に見ていきます。

価格が圧倒的に違う

フルサイズとAPS-Cでは価格が圧倒的に違います。フルサイズであればボディだけで最低20万以上はしますが、APS-Cであればボディで5万〜10万円の価格帯が多いです。APS-Cのエントリーモデルであればキットレンズも合わせて10万円を切るモデルもたくさんあります。

そしてボディの価格だけに注目してはいけません。カメラの楽しみは「レンズの交換」にもありますが、フルサイズはレンズも高額です。したがってフルサイズの場合は、購入時だけではなく将来にわたって費用がかかることも知っておく必要があります。

重さが違う

フルサイズとAPS-Cではボディとレンズを組み合わせたときの重さも違います。モデルによって異なりますが、カメラとレンズを合わせるとフルサイズは1〜2kg以上になります。一方APS-Cであれば、500g〜1kgとなり大変軽いです。持ち運びという点ではAPS-Cのほうが圧倒的に有利です。

写る範囲(画角)が違う

カメラは装着するレンズによって焦点距離が変わり、焦点距離が変われば画角が変わります。焦点距離はレンズの○○mmという記載を見れば良いわけですが、この焦点距離はフルサイズを基準に決められています(フルサイズ換算といいます)。

センサーサイズが小さくなると撮影できる画角が狭くなるので、望遠レンズを使っているのと同じことになります。フルサイズ換算で焦点距離50mmのレンズをAPS-Cで使用した場合、1.5倍の焦点距離70mmレンズの画角に狭められます。

難しい話は置いておいて、具体的な説明をします。例えば野鳥を撮りたいと思ったときに、予算の都合で500mmの望遠レンズしか購入できなかったとしましょう。フルサイズで使用したときは500mmの望遠レンズとしてしか使えませんが、このレンズをAPS-Cに装着すると1.5倍の750mmの超望遠レンズとして使えます。500mmレンズと750mmレンズでは価格も重量も桁違いですからAPS-Cを使うと望遠効果が得られるというのがメリットになります。

ダイナミックレンジ(階調)が違う

ダイナミックレンジ(階調)とは、暗い場所から明るい場所までを写せる範囲のことをいいます。ダイナミックレンジが広いと、暗い場所から明るい場所まで写すことができ、ダイナミックレンジが狭いと暗い場所から明るい場所までを綺麗に写すことができません。センサーサイズが大きいフルサイズの方がダイナミックレンジが広く、明暗差に強いと言えます。

高感度耐性が違う

昼間はあまり画質の差を感じませんが、夜になるとフルサイズの方が多くの光を集めてくれるので綺麗に写せます。またカメラのISO感度を上げるとフルサイズでは綺麗に撮れるものの、APS-Cではノイズが出やすいといった特徴もあります。夜景を中心に撮影したい人はフルサイズが向いています。

背景のボケ感が違う

フルサイズとAPS-Cでは、フルサイズの方が背景が大きくボケます。その理由は被写界深度とセンサーサイズにありますが、細かいことを覚える必要はありません。フルサイズとAPS-Cでは同じレンズを使ったとしても画角が変わることは説明しましたが、同じレンズで同じ画角を写そうとするとフルサイズの方が被写体に接近する必要があり、おのずと被写界深度が浅くなりボケやすくなります。

写真のデータサイズが違う

フルサイズとAPS-Cでは写真のデータサイズが異なります。正確には写真のデータサイズは画素数によって決まりますが、一般的にフルサイズの方が画素数が高くなるのでそのぶん写真1枚あたりのデータサイズも大きくなります。

ここで忘れてはいけないのは、データサイズの大きな写真を大量に扱うにはハイスペックなパソコンが必要であるということです。RAW編集しようものなら低スペックのパソコンではフリーズする可能性すらあります。カメラにばかりお金をかけて低スペックなパソコンを使用しているようではフルサイズの写真の取り回しに苦労することになります。

>>RAWがおすすめ|一眼レフの撮影はRAWとJPEGのどちらを選ぶ?

初心者にAPS-Cをおすすめする理由

単純に機能を比較するだけでは当然フルサイズに魅力を感じると思いますが、初心者の方におすすめするのは絶対にAPS-Cです。

APS-Cの魅力は、

  • 価格が安い
  • フルサイズに劣らず高画質(十分な画素数)
  • 軽量モデルなので持ち出しがラク

です。

価格が安い

値段と性能のバランスを見た時にもっともコストパフォーマンスに優れているのは間違いなくAPS-Cです。高画質を維持したまま無駄な機能をそぎ落として価格をおさえています。

例えばフルサイズには、

  • スポーツや動物の一瞬をとらえる超高速連写
  • ピントを絶対に逃さない高性能オートフォーカス
  • 顧客のデータの紛失を防ぐSDカードダブルスロット

などなど、操作性や仕事の質を高める機能が搭載されていますが、本当にこのような機能が必要でしょうか。私は純粋に写真を楽しみたいのであれば不要な機能だと思いますし、それよりももっと気軽に始めたいです。

フルサイズに劣らず高画質(十分な画素数)

もっとも気になる画質についてですが、日常使いであれば1500万画素あれば十分です。初心者の方は画素数だけで画質を判断しがちですが、自分にとって必要な画素数は何画素なのかを理解することが大切です。

そもそも高画素が必要になるのは大きく印刷するときや、トリミングして写真の一部分だけ切り取るときだけです。個展などを開いたり、ポスター用に印刷したり、雑誌の一面に掲載したりする場合であれば高画素が活かせますが、一番大きな用途であろうスマホやInstagram、Twitterで表示するには200万画素でも十分です。

テレビの4Kでも800万画素ですし、Instagramは116万画素、Twitterに至っては13万画素しかありません。要は画素数をどう活用するかが重要であって、用途以上の高画素は宝の持ち腐れと言っても過言ではありません。最近のAPS-Cモデルでは1500万画素を下回るようなモデルはありませんので、画素数としては十分です。

>>一眼レフ基礎知識|一眼レフの画素数ってどれくらい必要?たったそれだけでいいの?

もちろんパソコンで拡大すれば画像の荒さは気になると思いますが、これはフルサイズで撮影しても同じことです。普通はA3やA4サイズに印刷して人間が一定の距離で見ることを前提に必要画素数を判断します。パソコンのように無限に拡大できてしまうモノで画質を議論したとしても、そもそも無限遠のの拡大に耐えられるような高画質な写真というのはどのカメラ、レンズでも撮れません。

軽量モデルなので持ち出しがラク

APS-Cは軽量なので持ち運びにも大変便利です。カメラを買ったものの重くて家から持ち出さない方は非常に多いです。一昔前なら綺麗な写真を撮るためであれば重いカメラでも無理して持ち出したのでしょうか、今はスマホがあれば十分綺麗な写真が撮れます。カメラが上達するためにはまずはカメラを持ち出して撮影することです。そのためにはなんといっても軽さが重要なのです。

私は旅先には必ずAPS-Cを持っていきます。軽くてどこでも取り出せるほうがシャッターチャンスを逃さないと思うからです。APS-Cで撮影した写真も掲載していますのでぜひご覧ください。

>>Kyoto Photography 2020
>>Tokyo Photography 2020
>>Kyoto Photography 2021

初心者にフルサイズをおすすめしない理由

ここまでの説明でフルサイズとAPS-Cの違いは理解できたと思います。繰り返しにはなりますが、私が初心者の方にフルサイズのカメラをおすすめしない理由は以下です。

  • 初心者には高すぎる価格
  • カメラ自体が大きいので持ち運びに不便
  • 大判で印刷しない限り高画質は不要
  • レンズ自体も高いのでレンズ交換が容易にできない

もちろんフルサイズならではの楽しみがありますので、カメラが好きになってフルサイズを購入することは素晴らしいことだと思います。ただ最初からフルサイズを購入することは一度立ち止まって考えた方が良いと思います。

最初の1台にフルサイズを買うことも否定はしませんが、カメラ自体の初期投資だけではなくパソコンやレンズなどその他にかかるお金も大きいです。今後もカメラを続けていくつもりで、総額50万〜100万かけてもいいと思えるのであればフルサイズでもいいと思います。そこまで見据えて決めてください。

まとめ

フルサイズとAPS-Cの違いはいかがだったでしょうか。性能としてはもちろんフルサイズの方がいいので撮る目的や被写体がフルサイズ向けだった場合はフルサイズ購入もいいかと思いますが、とりあえずカメラを始めてみたいという方にはAPS-Cで十分すぎます。

焦らずともAPS-Cを使ってみてカメラが楽しくなったり、上位機種が欲しくなったりしたときにフルサイズを購入すれば大丈夫です。フルサイズとAPS-Cの2台持ちになってしまっても、それぞれ用途が異なるので違った使い方もできて非常に便利です。

まずは気軽にAPS-Cからチャレンジしてみてはいかがでしょう。

以上、<フルサイズは必要ない|カメラ初心者はAPS-Cがおすすめ>という話題でした。

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